ながさき島たより宇久島の歴史(宇久)平家一族が壇ノ浦の戦いの後に減退の一途を辿る最中、宇久島へ一隻の船が漂流しました。漂流者の名前は、平家盛。平清盛の異母兄弟。後に、彼は五島列島一帯を平定し、その功績は現在の五島文化の礎となった歴史が伝えられています。ほかの島に比べて地の利が良い宇久島は、古くから寺社仏閣が栄え、開墾地としてもよく開けており、多くの民が島...
ながさき島たより父ヶ岳登山 (五島) 標高461m、五島列島最高峰の「父ヶ岳」に登った。その山頂から高浜と頓泊の海岸を望むと、眼下には、白い砂浜に縁どられたエメラルドグリーンの美しい海が広がる。父ヶ岳に登るなら、いくつかの団体が企画するトレッキングツアーに参加するのがオススメ。安全性はもちろん、希少な動植物についての説明もしてくれる。 午前9時40分、七...
ながさき島たよりあご焼き(上五島) 9月、彼岸を過ぎた頃、北風が吹いてくると「あご焼き」が始まります。我が家もこの頃に港に飛び魚が入ったと連絡があると、玄関先にずらりと七輪を並べて炭に火をおこし、あご焼きの準備をします。トロ箱いっぱいの飛び魚を掬い、大きさを選別し、中ぐらいの飛び魚を金網の魚焼きにのせ、七輪で焼きます。そして腹わたが焼けると、広げた巻き...
ながさき島たよりアキマドボタル(対馬) 国境の島・対馬には、氷河期の残存種とされるさまざまな大陸系の生物が生息している。その代表はツシマヤマネコだが、そのほかにも外見は派手だが無毒のヘビ・アカマダラや日本のクワガタ類で最長種のツシマヒラタクワガタなど、個性的な生物が多く見られる。その反面、キツネやタヌキ、ウサギ、リス、サルなどは一匹も生息してい...
ながさき島たより体で感じる壱岐の歴史(壱岐)中国の歴史書『三国志』の一部『魏志倭人伝』に「一支国」と記された壱岐。そんな壱岐島では、古代日本を物語る貴重な資料が多数出土している。 それらを見るだけでなく、実際にふれられるのが〈一支国博物館〉だ。世界的建築家、故・黒川紀章氏がデザインし、周囲の山並みに沿った曲線の屋根が印象的で、国指定特別史跡「原の辻...
メイド・イン・ナガサキVol.33 嘉久房窯の舌出し三番叟【最終回】一子相伝の技を宿して… どこか憎めない愛嬌のある表情と、ユーモラスな立ち姿に、思わずページをめくる手を止めた方もいるのではなかろうか。ひと目でグッと心を掴むこの人形の名は、「舌出し三番叟(しただしさんばんそう)」―白磁の染付や透かし彫りなどで高い技術を誇る、三川内焼の伝統的な玩具である。くるくると首が動き、舌が出たり入...
メイド・イン・ナガサキVol.32 富田一彦さんのデザイン暮らしに楽しさや、喜びを 来年1月。長崎県美術館で、『卜ミタリアー富田一彦の世界』という展覧会が開催される。『トミタリア』とは“トミタ”と“イタリア”を組み合わせた造語。長崎県出身で、20年以上イタリアを拠点に活動してきたデザイナー・富田一彦さんのこれまでの仕事が、一同に揃う展覧会だ。
メイド・イン・ナガサキVol.31 岩永梅寿軒のぬくめ菓子長崎くんちの縁起菓子 毎夜長崎の街に響く、くんちのお囃子やかけ声―。思いがけずその練習の場に出くわすと、あの華やかな舞台の裏側を垣間見たようで、長崎人ならば誰しも胸打たれるものがある。9月を過ぎる頃にはその声にも気迫が満ち、男たちの熱く勇壮なかけ声を耳にする度、今年もくんちの季節がやってきたとワクワクせずにはいられない...
メイド・イン・ナガサキVol.30 雲仙焼雲仙の自然が生み出す、唯一無二の輝き まるで宇宙を覗いているよう―。そう称されるうつわがある。「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」。南宋時代(1127~1279年)、中国福建省建陽市にあった建窯で作られたとされ、現存するものは世界でたった3点。その全てが日本にあり、国宝に指定されている。黒の釉薬の上に、光の角度...
ふらり。旅する長崎第29回 「西海市・瀬戸港から出発!夏の、松島冒険日記」 長崎市の畝刈・三重あたりから、西海市までを結ぶ国道202号。片側に海、片側に山、と豊かな自然に囲まれたこの道沿いは「夕陽が丘そとめ(道の駅)」や「遠藤周作文学館」、ユニークなお店が集まる雪浦地区といった立ち寄り所が多く、夏のドライブにぴったりのコースだ。そんな202号沿いにある「瀬戸港」から、フェリーで約15分。気軽...