3/8(土)、雲仙市小浜町にニューオープンの〈THE CASE〉。オープンに先駆けて、3/7(金)に開かれた内覧会に参加してきました。〈THE CASE〉とはどんな場所なのか、関わる方の意思や、この町に向けた思いについてまとめました。
〈THE CASE〉仕掛け人の3名が語る雲仙市・小浜町
赤いレンガ敷きの道路に映える小浜の湯煙に誘われ、国道から一本中に入った裏通りへ。
青いひさしが目印の建物前に、思わず歩みを止めてしまうミラーのサインボードが。上部には〈THE CASE〉、下部にはセレクトショップ〈IN THE CASE〉、カフェ〈yolo.〉、レンタルスペースと書かれています。
〈THE CASE〉のオーナーは、小浜町出身の草野桜子さん。現在は東京でアパレルの商品開発から店舗内装デザイン、SNSマーケティングまで幅広く手がけるフリーのブランディングディレクターとして働いています。
「子どもの頃は、何もない田舎の町と思っていた小浜。第二子出産のため里帰りした時、大人になった今だからこそ気づくことがありました。温泉や自然はもちろんですが、一番の魅力は人です」と草野さん。
同世代が頑張っている姿に刺激を受け、自分も何かやってみたいと、地元の仲間と話した他愛もない井戸端会議から〈THE CASE〉のプロジェクトが始まったと振り返ります。
その井戸端会議の相手というのが、今回〈THE CASE〉の店長を務める〈yolo.〉の林田さん。小浜町で2023年1月にオープンの、〈COFFEE STAND CANAAN〉(※現在閉業)の店長として立ち上げに携わり、2024年4月からは、同町内の〈景色喫茶室〉内へ移転。屋号を〈yolo.〉に改めて営業を続ける人気コーヒー店のオーナーです。
草野さんとは2歳違いで、林田さんの姉と草野さん、草野さんの弟と林田さんが同級生という間柄。〈THE CASE〉オープン後も東京を拠点にする草野さんは、「自分がこちらにいつもいられないので、店長は彼(林田さん)に。彼がいたから始められたお店です」と話します。幼なじみならではの信頼が伺えます。
建築を手がけたのは、草野さんの夫で建築家の川嶋さん。通常の店舗では、壁側や店舗奥に据えられることの多いカウンターを、入り口手前に設置しました。かつては小浜のメインストリートだった前面道路を行き交う人が足を止めるきっかけになり、来店する客とコミュニケーションをとりやすい配置にこだわりました。
印象的なグリーンの大理石は、「インドジャモン」。素材により、色合い、風合い、表情の異なる「インドジャモン」の中から、上品で落ち着いた印象のものを草野さんの目利きで選んだのだそう。
内装や表構えは、あえてローカルに寄せないことで「異物感」を表現。
「店内に入れば、『小浜じゃないみたい』と感じてもらえるように。ベンチに座って、通りを眺めれば、ローカルな地元の暮らしが見える。このコントラストを際立たせることで、〈THE CASE〉も小浜の街並みも、どちらもいきいきとして見える気がしました」と草野さん。
「元々この建物は、子どもの頃から空き家だったね」と林田さんと草野さんが話します。この春からは、アパレルや雑貨のセレクトショップ〈IN THE CASE〉、カフェ〈yolo.〉、レンタルスペースと3つの機能を持った洗練された空間に生まれ変わりました。
内覧会中も、地元のおじいちゃん・おばあちゃんや、草野さん・林田さんの知人が手をふりながら、前を通っていきます。すでに、この場所が足を止めるきっかけになり始めています。
アパレルや雑貨のセレクトショップ〈IN THE CASE〉
〈THE CASE〉の中にあるセレクトショップという意味で、〈IN THE CASE〉と名付けられたショップでは、草野さんが携わったブランド〈RIM.ARK(リムアーク)〉を始めとし、ユニセックスなデザインの、シンプルでありながら芯のある洋服や雑貨を販売しています。
「着やすくて、日常に入ってくるようなもの。癖があるけど、主張しすぎないもの。シンプルだけど、強さがあるものをセレクトしました」と草野さん。
あの味はいつも変わらず、手元に〈yolo.〉
〈yolo.〉と言えば、そう、このチーズケーキ。キビ砂糖を使用し、キメの細かい生地に仕上げた、チーズケーキとテリーヌの中間とも言えるねっとりとした食感が特徴です。
「小学生の頃から、家で焼いていたチーズケーキには自信あり。でも、小浜でコーヒー屋になるまでは、ずっとアパレルで働いてたので、本来畑違いの職種。まさかこうやってたくさんの方に食べていただけるようになるとは(笑)」と林田さん。〈THE CASE〉では、席数もぐっと増え、通りを眺めながらゆっくりと〈yolo.〉のチーズケーキをいただけそうです。
レンタルスペース、ギャラリー……使用用途はご自由に
〈THE CASE〉のシンボルマークは、同町内の〈景色デザイン室〉の古庄さんが手がけた{ }(波括弧)のマーク。このマークが象徴する3つ目の機能が、レンタルスペースです。〈THE CASE〉が「入れもの」として、さまざまな人の「やりたい」が叶う場にとの思いを込めました。通常の括弧ではなく、「波」括弧にしたのは、小浜の海を表現するため。今後は、ギャラリーやイベントスペースなど幅広く活用してもらえたらと草野さんが語ります。小浜の新たな発信拠点となる〈THE CASE〉から目が離せません。
名称 | THE CASE |
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営業 時間 | 月火金12:00〜18:00、土日11:00〜18:00 |
定休日 | 水木、不定 |
席数 | 12 |
駐車場 | なし |
お問い 合わせ | なし |
備考 | インスタグラム:@thecase.project @inthecase_selection @____yolo._ @sakurako_kusano |
場所 | 雲仙市小浜町北本町14-12-1F |
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