魚を愛する人に聞いた、長崎のおさかな事情

第8回

【うちわ海老】

うちわ海老とは・・・
セミエビ科ウチワエビ属。全長20cm。
うちわに似ていることからこの名が付き、その味は知る人ぞ知る高級グルメのひとつ

高級エビ界の新星は
長崎から覚醒し全国区へ！

一度見れば忘れられないその特徴的なフォルムと、知る人ぞ知る美味しさが評判を呼び、今では長崎の特産品となった『うちわ海老』。

しかし、そんなうちわ海老が認知されるようになるまでの歴史は意外にも浅い。

以前から平戸の志々伎では、ヒラメを獲る固定式刺し網にうちわ海老が紛れ込んでいた。

なじみがなく、市場価値がないと思われ、市場出荷されていなかったが、20年ほど前にまとまった量が獲れたため市場に出荷したところ、想像以上に価値があると分かり、漁師や地元民が食すようになった。

約15年前からは、うちわ海老の本格的な漁をスタート。

うちわ海老が獲れるスポットを見つけるため、試行錯誤を続ける日々だったが、今では、安定して漁獲できるようになり、年中変わらない価格で安定取引されている。

長崎では、主に平戸沖や五島・福江島周辺でうちわ海老が獲られている。

「ウチワエビ」と「オオバウチワエビ」の２種類があるが、平戸のうちわ海老は、「オオバウチワエビ」で、水深が80～150ｍの場所で獲れるものがほとんど。

表体は赤みがかって斑点があり、大きいものでは200ｇを超える。

平戸のうちわ海老の固定式刺し網漁は、春から秋にかけて最盛期を迎え、網を仕掛けて３日～一週間ほどして網を揚げる。

うちわ海老の美味しさが県内外に認知される背景には、地道な販売努力がある。

５月にうちわ海老をメインとする「志々伎おさかなまつり」をはじめ、県内各地のイベントに参加するなど、勢力的なPR活動を続けるとともに、５年前からは、ゆうパックをスタート。

こうして、伊勢海老に負けない美味しさが広まり、東京などの飲食店での取り扱いも増えている。

うちわ海老は、これからますます全国区となり、魚界の長崎ブランドを担っていく。

平戸・志々伎から
新鮮なうちわ海老を産地直送

〈志々伎漁業協同組合〉では、「平戸産天然活きオオバウチワエビ」を、産地直送もしている。

10月～12月まではゆうパックで、北海道から沖縄まで年間約3000～4000箱（1箱1kｇ）を全国発送。刺身はもちろん、加熱して旨みを凝縮させる蒸し料理やシンプルな塩茹で、お味噌汁などでも美味しくいただける。

長崎のうちわ海老はこちらで食べられます！