ながさきプレスWEBマガジン

  • さかなの時間【ブリ】

    魚を愛する人に聞いた、長崎のおさかな事情

     

     

    第6回

     

    【ブリ】

     

     

    ブリとは・・・
    アジ科ブリ属。全長1m。
    ブリは成長とともに名前が変わる出世魚の一つで、縁起が良い魚として、祝宴の料理に好んで使われる。

     

    養殖魚のパイオニアは
    さらなる高品質の時代へ突入

    日本人の食文化に深く浸透している「ブリ」は、成長とともに呼び名が変わる出世魚の代表格。複雑な海岸線を有する本県は、古くからブリ養殖が盛んだ。

     

    ブリ養殖の特徴は、人工種苗を使うマダイやトラフグとは違い、天然種苗を使うことが多い。
    種苗として、九州南部や四国の海に漂う海草(藻)に生息する10gほどの「モジャコ(ブリの稚魚)」を、6kgの「ブリ」になるまで約1年半をかけて育てる。

     

    直径18m×深さ15mのイケスで一年半育てられたブリを出荷

     

     

    エサは、魚の成長に必要な栄養素と魚粉を混ぜたEP(エクストルーダーペレット)や、より生餌に近い状態のMP(モイストペレット)などを使い分け、サイズや魚の体長に合わせて配合を変えながら給餌。12~1月の脂が乗る時期に照準を合わせて仕上げていく。

     

    3日に1回、EP飼料を与え、食べ応えやイケスの環境を観察

     

    長崎の養殖ブリの生残率は、最低でも95%を誇る。

     

    その要因として、漁場環境の良さは言うまでもないが、病気から魚を守るため、10g~100gの幼魚の段階で、一匹ずつワクチンを打つのだ。

     

    また、イケスに何度も網を入れることで魚のストレスにならないよう、養殖用のイケスと出荷用のイケスを分けている。

     

    4kg強で、出荷用のイケスに入れ替えを行う

     

    さらに、2日に1回は、海中に潜って魚に異変がないかイケスの環境を調査し、そこで、元気のない魚を発見した場合は、水産試験場で原因を調べる。専門機関の協力体制があることも、被害を最小限に抑えられる要因だとか。こうした好条件や様々な工夫が、高い生残率を生んでいると言えよう。

     

    長崎の養殖ブリは、国内で一定の需要を獲得しているが、今後は、海外へ向けた輸出がカギとなる。中国や東南アジアでも養殖ブリが食べられるようになってきている今こそ、長崎の養殖ブリの品質の高さを、世界に見せつけたいところだ。

     

     

    養殖に必須の魚粉が高騰
    今後の代替が課題

     

    養殖ブリの餌として使用されるEPに含まれる魚粉の多くは、南米地域を中心に生産されているが、供給が追い付いていない状況が続いている。

     

    代替として、食用に適さない雑魚や、大豆、トウモロコシなどの植物性原料が検討されている。安定な餌の確保が、これからの養殖業の成長産業化に繋がる。

     

    取材・撮影協力

    有馬屋水産株式会社

    TEL:095-894-5692

     

     

     

    長崎のブリはこちらで食べられます!

     

    西海市 割烹旅館 呼子

     

    丼の中、艶やかに咲き誇る
    味わい豊かなブリの華

     

    【写真】光ぶり丼:1,320円(小鉢、漬物、みそ汁付き)

     


    目の前に「呼子の瀬戸」の海原広がる、ロケーションも魅力の割烹旅館。脂ののった新鮮な魚介が楽しめるこちらのオススメは、なんと言ってもブランド養殖ブリ「光ぶり」を使った丼!タイやシマアジ、トビコものって、特製のタレをお好みでかけていただく。花の咲く様をイメージした盛り付けも◎。

     

    割烹旅館 呼子
    場所:長崎県西海市西海町中浦北郷1736
    TEL:0959-32-9545

    詳しい店舗情報はこちら

     

     

     

    佐世保市 季節の味処 しぐれ茶屋

     

    最高品質のブリで愉しむ
    2か月間だけの贅沢しゃぶしゃぶ

     

    【写真】鰤しゃぶ:2,500円~

     


    12月~1月の期間内だけで提供されるという〈しぐれ茶屋〉のブリ料理は、毎年常連客が、この魅惑の2か月間を待ちわびているのだとか。中でもイチオシは、刺身でも申し分ないだけの鮮度と品質のブリを使ったしゃぶしゃぶ。甘みの深いブリをさっと湯にくぐらせていただく、最高の贅沢が堪能できる。

     

    季節の味処 しぐれ茶屋
    場所:長崎県佐世保市下京町7-8
    TEL:0956-25-1194

    詳しい店舗情報はこちら

     

     

     

    長崎市 魚たつ 五島海山

     

    想像を超えるブリの大きさと
    確かな味わいにお酒も進む!

     

    【写真】ブリ大根:700円

     


    五島の食材を中心としたじげもん料理を提供する居酒屋。元々魚屋ということもあり、魚介類を使った料理を低価格で味わえるのがココの強みだ。ブリと言えば、「ブリ大根」。刺身でも使えるほど鮮度抜群のブリを大根と一緒に甘辛く煮込んでいる。地酒とともに旬モノを召しあがれ。

     

    魚たつ 五島海山
    場所:長崎県長崎市五島町3-22-1F
    TEL:095-825-6455

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    長崎県の魚愛用店について

     

     

    長崎県産の魚介類や水産加工品の愛用を推進するため、県産魚を積極的に活用したメニューを提供する店舗を「長崎県の魚愛用店」として県が認定している。地元の人や観光客が、長崎県の水産物を食べたいときに利用できるよう、いつでも食べられる店としてホテルや旅館、レストラン、料理店が加盟している。

     

     

     

    長崎県の魚愛用店

     

     

    魚愛用店の情報はコチラのサイトでCheck!!

     

     

     

     

    Information

     

    長崎県水産加工流通課
    TEL:095-895-2871
    配布場所:県内のホテル・宿泊施設、観光案内所、道の駅

     

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