日々の生活で、ちょっと疲れたときや元気がほしいとき、静かに心を落ち着けたいとき…。「あそこに行けば大丈夫」という自分だけのとっておきの場所を持っていると、それだけで暮らしはずっと楽しくなる。今回の旅先はまさにそんな場所。諫早市街の中心部にあって、諫早市役所や諫早図書館、諫早高校、眼鏡橋などを取り囲む緑の回廊〈高城回廊〉と、情緒溢れる庭園〈御書院〉だ。
御書院は、諫早家初代・龍造寺家晴公がかつてこの地に構えた、壮大な屋敷にあった建物の一つ。建物はもう残っていないが、約6700㎡もの広大な庭園が現代まで受け継がれてきた。江戸末期のものと想定される、池を中心とした回遊庭園には、太鼓橋や月見灯籠、大きなクスノキなどがあり、趣ある往時の姿をしのばせる。そんな御書院を含む約1.3kmの緑の散策路・高城回廊もまた、諫早市民の安らぎの場。木製のチップが敷かれた道はふかふかと心地よく、小川のせせらぎや鳥のさえずり、緑のさざめきに包まれながら、のんびり散歩をする人々の姿がほほえましい。
水と、緑と、歴史と―。ここは諫早の観光名所でこそあるが、決して派手さや華々しさがあるわけではない。むしろ静かに息づき、地元の人々に愛される場所。だからこそふらり、訪ねてみたくなるのだ。
街の中の小さなオアシス。
御書院の庭園では、猫もハトもカモたちも、なんだかみんなの~んびり。諫早高校の学生さんたちも、御書院の中で本を読んだり散歩したりと、思い思いのまったりタイムを過ごしているよう。(こんな場所が学校の敷地内にあるなんてウラヤマシイ!)もちろん誰でも、この小さなオアシスを楽しめる。
長崎の“めがね”よりも大きめです
眼鏡橋…といえば長崎市のそれを真っ先に思い浮かべてしまうが、諫早にも立派な眼鏡橋が。1839年(天保10年)に、それまで大きな橋がなかった本明川に架けられた石造りのアーチ橋で、日本で最初に重要文化財に指定された石橋。諫早大水害の後、現在の場所に移され、諫早のシンボル的存在となっている。 長崎の“めがね”よりも大きめです
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