とろりとつややかな深い青の釉薬と、直線的なフォルム。食卓に並ぶと、すっとその場の空気を変えてしまうような凛とした佇まい。それでいて、ふれると素直に手におさまり、口当たりも優しいことに、「使いやすく生活になじむ」を基本としてものづくりを続ける〈白山陶器〉の姿勢が感じられる
「M型シリーズ」が開発されたのは1973年。高度経済成長の只中で近代化が進み、家電製品なども幅広く普及した時代だ。ちゃぶ台もあればダイニングテーブルもありと、家庭のライフスタイルも多様化する中、茶器には洋風のポットか昔ながらの急須や土瓶しか選択肢が無かったため、時代に対応する新しい食器として生まれたのがこのシリーズだった。一度は生産を休止したが、2005年に再デビュー。40年近く経った今でも色あせることなく、むしろお茶を飲む時間を少し上質なものへ変えてくれるコーヒーセットは、時代や流行に左右されない「心地よいもの」を私たちに教えてくれる。
デザイナー:森正洋 MORI MASAHIRO
佐賀県出身。1956年に白山陶器デザイン室に入社、「日常の生活で使う食器を考え、形を創り、工場で生産することにより多くの人々とともに共有し生活することに、デザインの喜びを感じる」という言葉通り、今なお愛される「G型しょうゆさし」や「M型コーヒーセット」など数々のデザインでグッドデザイン賞やロングライフデザイン賞を受賞。
白山陶器
1779年創業、1958年白山陶器株式会社設立。400年の歴史を持つ波佐見焼を受け継ぎながらも、新しい表情やオリジナリティを追求し、時代を超えてスタンダードであり続けるうつわづくりを目指している。
・「M型ティーポット」5,250円、「M型シュガーポット」2,100円
・「M型クリーマー」1,575円、「M型カップアンドソーサー」2,625円
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