ながさきプレスWEBマガジン

  • あご焼き(上五島)

    秋の香りが漂うあご焼きづくり
    秋の香りが漂うあご焼きづくり

     9月、彼岸を過ぎた頃、北風が吹いてくると「あご焼き」が始まります。我が家もこの頃に港に飛び魚が入ったと連絡があると、玄関先にずらりと七輪を並べて炭に火をおこし、あご焼きの準備をします。トロ箱いっぱいの飛び魚を掬い、大きさを選別し、中ぐらいの飛び魚を金網の魚焼きにのせ、七輪で焼きます。そして腹わたが焼けると、広げた巻きすに並べます。これがまた見事!その後、わらであごを組みます。組んだあごを一週間ほど風にあてて干すと「焼きあご」の完成です。
    簡単そうに見えますが、これがなかなか大変。いつも近所のおばちゃんたちが加勢に来てくれます。おばちゃんたちの楽しい会話と、焼きあごの香りは何とも言えない趣があります。
    また、焼きあごと同時に「塩あご」もつくります。焼きあごの時に選別した飛び魚を塩でもみ、5~6時間重しをして、その後洗い流して水気を切り、一夜干ししたものが塩あごです。
    新あごを使ったうどんのダシは、特産品の五島手延べうどんと絡めると、旨みも香りも絶品!皆さんも新上五島町の秋の香りを楽しんでみませんか。
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    道津 和子 初めて訪れてもどこか懐かしさを感じさせる、アットホームなもてなしの〈前田旅館〉の女将。おしゃべり好きで、上五島のディープな魅力を教えてくれる。旅館では海の幸・山の幸をふんだんに使った料理だけではなく、上五島ならではの郷土料理も味わえる。

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