「外海」のおはなしvol.2
修学旅行で自慢できる!外海“もう一歩”踏み込んだおはなし。
〈出津教会堂のド・ロ神父胸像〉
外海地区では、誰もが知っているド・ロさま。本名マルク・マリー・ド・ロ。キリスト教の禁教令が解かれた後、1878年(明治11年)外海地区の司祭に赴任しカトリックの布教活動に貢献したフランス人宣教師です。
彼の大きな功績は、その社会福祉活動。田畑を築くのにも困難な自然環境、貧しさを極めた人々の生活を見たド・ロ神父は「信仰による魂の 救済だけではなく、人々の生活の救済が必要」だと感じたのだとか。
〈出津教会堂〉
彼は、出津教会堂、大野教会堂を建設したほか、孤児院や救助院を設立、住民を伝染病から救うために診療所を開設するなど、私財を投げうって社会活動に尽力したのです。また、神父の技術指導によって、そうめんやマカロニ、パンなどの作り方も伝授されたのだとか。この内、そうめんは「ド・ロさまそうめん」として今も地元の人たちに親しまれています。
〈大野教会堂〉
そのほかにも、農業・印刷・医療・土木・建築・工業・養蚕業など、分野の異なるたくさんの技術を伝えたというから驚きです。豊富な知識量と才能、そしてそれを惜しみなく広め先々を見越しながら、見返りを求めない無償の愛。神父様とは言え、なんとまあ、パーフェクトな傑物なんでしょう。俄然、彼のことを知りたくなりますよね。
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ド・ロ神父の功績を辿る
〈ド・ロ神父像〉
この外海地区には、ド・ロ様ゆかりの場所が多数存在します。
彼が建立した出津教会堂のすぐそばには、「ド・ロ神父記念館」があります。神父の足跡をたどった所縁の品々が多数展示されています。「長崎市外海歴史民俗資料館」との共通入館料となっているので、併せて見学したいところ。こちらには、潜伏キリシタンに関係する資料のほか、縄文時代から弥生時代にかけての外海の遺跡なども復元展示されています。ド・ロ神父の伝えた農機具なども紹介されていますよ。
〈長崎市外海歴史民俗資料館〉
大野教会堂と記念館を結ぶ小径は、ド・ロ神父も通ったという「歴史の道」で、彼が私財を投じて作ったという「ド・ロ神父の井戸」の跡もあります。ゆったり歩いて、ド・ロ神父の当時の気分を想像し浸ってみるのもいいですね。
〈ド・ロ神父の井戸〉
「ド・ロ神父記念館」の隣には、「旧出津救助院」が。授産場やマカロニ工場、製粉工場、薬局などなど、ド・ロ神父が精力的に行った授産活動の場で構成されています。
〈旧出津救助院〉
もちろん、出津教会堂や大野教会堂、大浦天主堂近くの旧長崎大司教館に至るまで、ド・ロ神父の功績は長崎市内の各所で散見することができます。いろいろとチェックしてみてくださいね!
1960年から2005年まで、長崎県の西彼杵半島南西部にあった外海町(そとめちょう)のあったエリア。西彼杵郡に属していた。
2005年1月4日に同じ西彼杵郡の香焼町・伊王島町・高島町・野母崎町・三和町と共に長崎市に編入された。
名称 | 【出津教会堂】 ※「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「出津集落」内 【大野教会堂】 ※「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「大野集落」内 |
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駐車場 | 【出津教会堂】駐車場あり 【大野教会堂】駐車場あり |
お問い 合わせ | 【長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター】 長崎市出島町1-1-205(出島ワーフ2F) TEL:095-823-7650(対応時間 9:30~17:30)
※教会の見学は事前連絡が必要です。以下Webサイトよりご予約を。 |
場所 | 【出津教会堂】(長崎県長崎市西出津町2633)
【大野教会堂】(長崎県長崎市下大野町2619) |
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