「寺町通りエリア」のおはなしvol.3
寺町通り周辺のオススメスポット
「崇福寺」のおはなし
寺社仏閣が立ち並ぶこの寺町のエリアにおいて、ひときわ存在感を放っているのが「崇福寺」。
「寺町通り」を抜けて「崇福寺通り」を歩いていくと、その行きつく先に、崇福寺の「三門」が見えてきます。
この大きな朱色の門がそびえたつ姿は、さながら龍宮城のようだということで、「龍宮門」や「赤門」等と呼ばれ、親しまれてきました。
崇福寺
江戸時代初期に、長崎に創建された唐寺、興福寺・福済寺とともに「三福寺」に並べられる「崇福寺」。
中国様式の寺院としては日本最古のものなのだそうです。
興福寺が南京地方出身者の建立によるもので「南京寺」と呼ばれるのに対し、崇福寺は福建省の出身者が門信徒に多いため「福州寺」とも呼ばれます。
「崇福寺」は文化財の宝庫
長崎には3つの国宝がありますが、なんと、そのうち2つがこの「崇福寺」にある「第一峰門」と「大雄宝殿」。
この他にも崇福寺には、国指定重要文化財が5点、県指定有形文化財が4点、市指定有形文化財が10点もあるのです。
崇福寺と言えば、まずはその象徴的な存在として思い浮かべる人も多いのが「三門」。
崇福寺には、中国で材を切組み、中国工匠が建てた中国建築の諸殿堂門が多くあります。
しかしその中で、最も中国趣味が濃厚に見えるこの「三門」は、意外にも、棟梁はじめ、すべて日本人工匠の手によるものだそうで、和風建築と言えるものなのだそうです。
三門を入ってすぐ左手にある、緑に囲まれた雰囲気のある階段を上りきると、「第一峰門」が現れます。
この「第一峰門」は、中国で材を切組み、船で運ばれ、中国工匠が建てた中国建築によるもの。
見上げると、複雑な軒裏が確認できますが、この組み方は、日本のみならず中国でも珍しい貴重なものなのだそうです。
「第一峰門」と同様に国宝に指定されているのが「大雄宝殿」。
中国建築様式と和式の建築様式が織り交ぜてつくられているのが特徴です。
長崎の唐寺には、海の神様「媽祖様」が祀られている「媽祖堂」があるというのが特徴。
寺町通りにある「興福寺」にも、同様に「媽祖堂」があるのは以前の記事でもご紹介しました。
この媽祖堂の前には見事な「媽祖堂門」があります。
媽祖堂と媽祖門が揃っている例は日本では他になく、中国でも珍しい、大変貴重なものなのだそう。
当時、唐から来た船主たちが航海安全を祈願したのだそうです。
その他にも、貴重な文化財が!
鐘鼓楼
重層の上階に梵鐘を吊り太鼓を置いており、鐘楼(しょうろう)と鼓楼(ころう)を兼ねています。
棟梁が日本人であったため、妻の懸魚(けぎょ)や破風(はふ)等の細部に和風様式が混入しています。
護法堂
大雄宝殿と対面するかたちで「護法堂」があります。
中央に観世音、向って右に関帝、左に韋駄天が安置されており、観音堂・関帝堂・天王堂等とよばれます。
大釜
延宝8(1680)年に起きた不作を受け、長崎で大飢饉が起きた際に作られたとされている大釜。
その飢饉が長引いたため、当時の住職が天和2年(1682)この大釜を造らせ、住職が粥を炊き、多くの難民を救ったといわれています。
この釜で炊くことは労力を要し、現実的でないため、実際に粥を炊いていたと考えられています。
長崎市の繁華街・浜市アーケードにほど近い崇福寺・八坂神社周辺エリア。
次回は周辺のグルメスポットをご紹介していきますので、お楽しみに!
名称 | 崇福寺 |
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お問い 合わせ | TEL:095-823-2645 |
備考 | 【料金】大人300円、小・中・高校生無料
【営業時間】9:00~16:00 |
場所 | 長崎県長崎市鍛冶屋町7-5 |
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