教えてくれた人
早稲田 佳子(ワセダ ヨシコ)さん
茶道(表千家茶道)や料理(懐石料理)などを学べる〈花滴庵〉主宰。長崎県内で和の文化を伝える教室を開いているほか、季節の茶会などを行っている。
花滴庵(かてきあん)
道教室(表千家流)や料理教室(懐石料理)、挨拶の仕方などを学べる和の講座があり、和の文化を通して、美しい作法や暮らしに使える知識を習得できる。
十一月十五日に行われる、七五三について詳しく教えて下さい
【七五三】…奇数を縁起の良い数とする中国思想の影響で、子供たちが無事に成長するようにと願い、その年齢の子供たちに晴着を着せて、神社にお詣りとお祝いをしに行く行事です。
男の子は数え年の三歳(満二歳)と五歳(満四歳)、女の子は数え年の三歳(満二歳)と七歳(満六歳)の時に親と一緒に宮参りをします。年齢ごとにお祝いの意味があり、三歳は男女共に「髪置きの祝い」、五歳の男の子は「袴着の祝い」、七才の女の子は「帯解きの祝い」といわれています。
「髪置きの祝い」…髪の毛を三歳から伸ばし始めて、赤ちゃんから子供に成長していくことのお祝い。
「袴着の祝い」…男の子が五歳になると紋付の袴を履くようになり、一人前の子供と認められるお祝い。
「帯解きの祝い」…女の子が七歳になる時に、着物の帯を大人が使う広い帯にすることで、一人前の子供として認められるお祝い。
宮参りを済ませた後、子どもたちには健康に育つようにと願いを込めて、「千歳飴」を用意します。また長崎では、伝統の飴細工で作った鯛や紅白の千代結びのお菓子、桃饅頭などがお祝いものによく使われます。
一通り終わった後に記念の写真を撮り、家族と親戚一同で子供の成長を祝う食事会を開きます。まずは神様へお供えとして、お赤飯や鯛の尾頭付き、収穫した新鮮な野菜を使ったお料理を用意して、それから一同でお祝いをします。
肌寒い朝にすっきりと体を起こす方法を教えてください
これから寒くなっていく朝は、お布団から出るのが非常に億劫になります。まずはお布団の中で一日のスケジュールを頭の中に思い浮かべ、思い切り力を入れて、手足を伸ばしてください。軽く熱いシャワーを浴び、上がったあとは湯冷めしないようにハンドドライヤーを身体に吹きかけながら、眠気のとれない体を徐々に起こしましょう。熱風で身体の芯を温めると体に血液が流れ始めるのがわかります。
暖房器具に加え、部屋を暖かく保つ知恵があれば教えて下さい
部屋を温かく保つためには暖房器具と一緒に、お鍋やヤカンにお湯を沸騰させ、蓋(ふた)をとり部屋の各所に置いてみるのも良いでしょう。また、湯気の近くで口を開け、のどを潤したりします。そうすることで、風邪の予防にもなり温まることも出来ます。 また、梅干を黒焼き(白干し梅を窯で炭化するまで焼いたもの)にしてお湯の中に混ぜて飲むのもいいです。アツアツの牛乳に少しお砂糖を加えて、ゆっくりと口に含んで飲むのも、のどに優しいと思います。
この季節に様々な事に活用できる草花と楽しみ方を教えてください
「観賞」を楽しむのであれば、柊やもみの木の植木鉢を育ててみてください。柊は小さい白い花が咲き、金木犀のような香りがします。上手に育てると赤い実をつけ、もみの木と同じようにクリスマスまで楽しむことができます。「食」に取り入れるのであれば、野菜屋さんで食用の菊を手に入れ、お吸い物に浮かべるとよいでしょう。 また、レモングラスや月桂樹などを部屋の中にぶらさげておくと、いつでも香りの高いハーブティが飲めるのに加え、月桂樹の葉っぱもカレーやポトフの煮込み料理にも使えます。また生姜も重宝します。生姜や柚子のはちみつ漬けをお湯で割って飲んだり、生の生姜を具だくさんの味噌汁におろして入れると身体中がポカポカと温まります。
十一月九日、十日に丸山町を中心に行われる「丸山華まつり」の楽しみ方を教えてください
【丸山華まつり】…長崎丸山町にある梅園天満宮の秋の大祭で、花街独特の華やかなお祭りです。
九日は梅園天満宮で、長崎検番の芸妓さんによる「奉納踊り」や「子どもみこし」、十日に「花魁道中(おいらんどうちゅう)」や「女みこし」が丸山町内を巡り、浜町アーケード、中通りを通ったあとに古川町の天満宮まで巡行します。梅園天満宮で神事を済ませてから、古川町までゆっくり一緒に歩いてみるのも楽しいでしょう。行事に合わせて、小紋の柄の着物を身に纏(まと)うと、より祭りの雰囲気を味わうことができるでしょう。小物や髪飾りなど自分なりの使い方をしてみてください。くんち以降に行われる秋の行事は着物の粋を見直す良い機会になると思います
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