教えてくれた人
早稲田 佳子(ワセダ ヨシコ)さん
茶道(表千家茶道)や料理(懐石料理)などを学べる〈花滴庵〉主宰。長崎県内で和の文化を伝える教室を開いているほか、季節の茶会などを行っている。
花滴庵(かてきあん)
道教室(表千家流)や料理教室(懐石料理)、挨拶の仕方などを学べる和の講座があり、和の文化を通して、美しい作法や暮らしに使える知識を習得できる。
「七夕」についての由来と習わしを教えてください
「七夕」は、織女星(しょくじょせい/織姫)と牽牛星(けんぎゅうせい/彦星)が天の川を挟み、年に一度だけ出逢うことができるという中国の「星祭り」の伝説です。また、女の子の手芸や縫い物の上達を祈る「乞巧奠(きっこうでん)」も七夕の行事として伝えられてきました。
「七夕飾り」の由来と飾り物にどのような意味があるのか教えてください
「七夕」の笹に吊るす飾りは、寺子屋が盛んになった江戸時代に子ども達の習字や勉学の上達を願ったものです。笹竹に願い事を書いた短冊や色紙、西瓜や衣装に見立てた切り紙、天の川を渡るカササギをイメージした折鶴などを神様に捧げるように飾っていました。長崎でも浜町から中通りにかけて華やかな七夕飾りをします。昔はお盆に繋がる行事として、飾り付けをした笹竹は川や海に流していたそうですよ。
「土用の丑の日」についての由来と習わしを教えてください
「土用」は立春、立夏、立秋、立冬前の18日間のことで年に4回訪れます。土の気の力が強いため、期間中は土木工事等で「土」を扱うことを避けていました。また、夏の「土用」は暑さが厳しく、体力をたくさん消耗します。そこに目をつけた江戸商人・平賀源内がウナギは高カロリーでスタミナがつくという説を唱えたことがウナギを食べる習慣に繋がったようです。「土用の入り」は、十二支の申から丑の日までとされており、その巡り方によって土用の丑の日が2回になることもあります。ウナギを食べて、スタミナをつけてみてはいかがでしょうか。
夏の風物詩として長崎市の八坂神社で約390年前から親しまれている「祇園祭」は、どんなお祭りでしょうか
祇園祭は、夏の暑さで疲れがちな身体の疫病退散を祈願する「御霊会」が始まりとされています。長崎の八坂神社は安産の神様がいることで知られており、祭りの日は多くの参拝者や出店で神社の周りが賑わいます。
また、祭りで販売されている鬼灯は、その鮮やかな赤色と中の種を潰した時にギュッと音を鳴らす事から疫病退散によいといわれました。中の苦い種も薬として使用されたそうですが、現在では夏の風物詩として鉢植えで楽しむようです。
夏のご挨拶として、日頃お世話になっている人に感謝の意を表するお中元。時期や相場など、どういったことに気を遣うとよいのでしょうか
【お中元】 季節の挨拶のひとつで、親類や知人に日頃の感謝を込めて贈り物をする習慣のこと
お中元は、立秋までに相手の方に届くようにしましょう。送るものに関しては、デパートのお中元コーナーが一番手軽と思われがちですが、相手方の家族構成を含め、家庭のことを考えて選ぶように心がけてみてください。目上の方へは、竹篭を使って自作のお中元に挑戦してみるのもいいと思います。涼しげな観葉植物や果物の盛り合わせなどには、カードを添えることを忘れずに。また、贈り物は配達してもらうよりも、相手の顔を見ながらご挨拶できると、より好印象です。もしもタイミングが合わず、立秋までにお中元を送ることができなかった場合は、「残暑見舞い」で届けるようにするといいでしょう。
※お中元を贈る時期は、地域によって多少異なります。
普段会えない人に送る「暑中見舞い」。いつ送るのがよいでしょうか
【暑中見舞い】 夏の暑中に親類や知人の安否を尋ねるために家を訪問したり手紙を出すこと
「暑中見舞い」は、7月20日頃から立秋の前日までに相手に着くように送りましょう。立秋をすぎると「残暑見舞い」になります。お年賀のご挨拶から半年、日頃のご無沙汰と暑さの折りのご機嫌を伺うものですが、メールではなく爽やかな葉書で手書きの便りが届くと嬉しいと思いますよ。
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