教えてくれた人
早稲田 佳子(ワセダ ヨシコ)さん
茶道(表千家茶道)や料理(懐石料理)などを学べる〈花滴庵〉主宰。長崎県内で和の文化を伝える教室を開いているほか、季節の茶会などを行っている。
花滴庵(かてきあん)
道教室(表千家流)や料理教室(懐石料理)、挨拶の仕方などを学べる和の講座があり、和の文化を通して、美しい作法や暮らしに使える知識を習得できる。
雨が長続きして、少し気分が沈みそうになってしまう梅雨の楽しみ方を教えてください
【梅雨】 梅の実が熟する6月ごろ。五月雨が降り続き、夏の始まりを告げる目安とされている
雨の日のために、レイングッズをいくつか持っているといいと思います。その時の気分に合わせて雨傘の色や柄を考えることで、名作映画「雨に唄えば」のような楽しいな気分になるかもしれませんね。
また、梅雨は夏を迎えるために必要なもの。そう考えると「梅雨さん、ありがとう」という気持ちを持つことができて、雨の音も豊かに聞こえてくるのではないでしょうか。
たくさんの紫陽花(あじさい)で溢れる6月の長崎で、紫陽花を楽しむのによい場所を教えてください
【ながさき紫陽花まつり】 長崎の花に指定されている紫陽花が街中を彩るお祭り
長崎では、紫陽花祭というものが毎年行われていて、中島川沿いを中心に浜町、観光通りが紫陽花で溢れます。その中でもおすすめなのが寺町にある興福寺です。お寺の庭のあちらこちらに、昔ながらの紫陽花と素朴な山紫陽花が咲き誇り、その楚々とした優しさが心を癒してくれます。
6月の第3日曜日は「父の日」ですが、どういったものを贈るのがよいのでしょうか
夏に備えて、下駄やサンダルなど、足元の風通しがよくなるものはいかがでしょうか。また、お酒にウニやイクラなど、気の利いた酒の肴を添えて、一緒にお酒を嗜むのもいいと思います。
衣替えの由来、最適な方法を教えてください
衣替えとは、宮中で始まったもので、衣装や調度品などの季節ものの入れ替え作業です。昔は、陰暦の四月朔日(ついたち)に夏物へ、十月朔日から冬物への移行を行ってきました。衣服など、仕舞っておくものを、日光に干したり、お香を焚いてよい匂いにする作業は、大きな行事として捉えられており、現在の衣替えとして残りました。現在であれば、衣服などは虫干しをしたりクリーニングに出すようにして、衣替えを行うのは、梅雨明けの乾燥した良い天気の日を選んでくださいね。
6月に実をつける梅についての習わしを教えてください
梅酒を作ったり、梅を漬けて梅干しにしたり…。古くより日本人は、梅の実がなる6月に、梅酒や梅干しなどを仕込み、梅雨の訪れを感じていました。また、家族や近所の人たちと一緒に行うことで、地域との繋がりや人の輪を作り、コミュニケーションをとってきました。現代では、家庭でそのようなことを行うことが随分と減ってきています。ですが、梅酒や梅干しづくりを通して、自然から季節の訪れや変化を感じることができるのだと思います。
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