advice1 自分の記憶の状態を知る
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自分の記憶の状態を正確にモニタリングしていることが重要です。自分の記憶状態に関する認知をメタ記憶と呼びます。
思い出せない状態は誰にでもよくあることです。この状態は、「思い出そうとしていること」「思い出そうとしている対象」「思い出せないこと」「何とか思い出そうとしていること」といった複雑な認知プロセスが関与していますが、このような思い出せない状態にあることを認知することが大事です。
advice2 自分にあった記憶の方法を見つける
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語呂合わせをするなど、皆さん自身で物事を忘れないような覚え方、つまり「記憶方略」を工夫することが大事です。
一般に記憶は、記銘、保持、というプロセスを通して記憶痕跡として残り、検索、再生というプロセスを通して想起されます。どのような方法で記銘、保持するのか、あるいは検索、再生するのかといったことを記憶方略と呼びます。記憶方略は、何回も繰り返して覚える、といった「リハーサル方略」、語呂合わせやなんらかの意味を付与して覚える、といった「精緻化方略」といった方法が知られています。
advice3 外部記憶を利用する
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メモ用紙や手帳、最近ではスマホなど、自分自身以外のものに記録をとどめておきましょう。
我々の記憶容量には限界があります、必要なこと全てを記憶することは不可能です。そこでメモ用紙、手帳、あるいはスマホといった外部記憶を利用します。人によっても違いますが、自分にあった外部記憶を見つけ、自分自身に適した使い方を見つけることが大事です。
advice4 思い出す時、一度に2つ以上のことをしない
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一度に二つ以上のことをする場合は、ミスが多くなります。思い出すときは、思い出すことだけに集中することが必要です。
何かを思い出そうとするときは、思い出そうとすることに集中する(注意を向ける)ことが必要です。思い出そうとすることと他のことを同時に行う場合は通常よりもたくさんの認知資源が必要となり、思い出すことに集中している場合よりも思い出せなくなります。
長崎シーボルト大学・准教授 飛奈 卓郎先生
栄養健康学科の准教授を務める。大学では体力づくりに関しての研究を行っており、セミナーの講師も務める
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