伝統を大切に受け継ぎながら 時代に合わせた器づくり
今や全国的に注目の集まる波佐見焼の器。しかしそもそも器づくりの工程や裏側は意外と知られていないもの。今回は特別にその現場へと潜入!
訪れたのは、創業から50年になる波佐見の窯元〈福峰窯〉。素焼きから絵付け、本焼きまで分担しながら行っている。まず驚くのは、その器の数。作業の段階ごとに板の上に並べられており、担当する職人が慣れた様子で軽々と運んでいく。素焼きを終えた器は2階で絵付け。〈福峰窯〉は、創業当時から変わらず手描きで一枚ずつ絵付けを行っている。繊細で細い線も、迷うことなくスッと筆を動かす。まさに職人技だ。愛情のこもった独特のやわらかな印象が、ここで生み出されている。最後に釉薬をかけてじっくり本焼きすれば、暮らしを彩る器の完成だ。
「伝統的な模様から、ポップで可愛らしいものまで、時代に合わせてデザインや形を少しずつ改良しているんですよ」と語る、常務の福田さん。器づくりだけではなく、直接魅力をもっと伝えたいという気持ちから、窯元近くでギャラリーカフェも手がけている。これまでの歴史を大切に繋ぎながら、新しいことにも挑戦していく。そんな心意気にあふれた、これからも注目したい窯元だ。
<福峰窯とは...>
波佐見で創業から50年となる窯元。従業員は20名で、常務の福田さんの両親と兄弟、仲良く協力しながら日々器づくりに励む。手描きのやさしい絵柄や印象が特徴だが、もちろん使い勝手にもこだわった器ばかり
器づくりの現場に潜入!
1.成形されたものを素焼きする
土の状態から成形されたものを6?7時間かけて素焼きする。こうすることで絵付けをする際に扱いやすく、また色もきれいに塗ることができる
2.手作業で一枚ずつ絵付けをしていく
作業は細かく分担しており、一枚の器に何人もの職人が関わっている。線の細さや絵柄に合わせて筆も変えており、その手際よくも繊細な筆使いに目を奪われる
3.器全体に釉薬をまとわせる
器の表面に光沢があるのは、釉薬でガラス質のコーティングを施しているから。見た目が美しいだけではなく、汚れやキズに強くなるという利点も
4.本焼きを行い、窯の中の熱が冷めたら取り出し
1,270℃以上で約13時間。高い熱で長時間熱するため、窯の扉を半日もかけてゆっくり開けて、徐々に温度に慣らしていく
ギャラリーカフェで器の購入が可能!
使いやすく多彩な器をお得に購入可能
窯元近くに2年前にオープン。普段は百貨店などで扱われる〈福峰窯〉のさまざまな器が並び、直営店ならではの価格で購入できる。奥には本格的なコーヒーやデザートを楽しめるカフェコーナーも用意。実際に器を使えば、より生活に取り入れるイメージができるはず
pottery & cafe Cachette
住所:東彼杵郡波佐見町湯無田郷1878
電話:0956-85-3526
営業時間:10:00~17:00(土日11:00~)
休業日:不定休
カフェ席数:7席
駐車場:あり
タバコ:禁煙
※現在窯元の見学は受け付けておりません
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