これからの時代のニーズを受け入れ
永続性あふれる社会を創造するために
九州教具株式会社 代表取締役社長
船橋 修一さん
フナハシ シュウイチさん
長崎市生まれ。海外留学やさまざまな経営経験を経て、1987年に九州教具に入社。これまでの営業スタイルの変革を皮切りに、事業の拡大や社員力の向上など、時代に合わせたビジネススタイルづくりに力を入れている。
長崎の「SDGs」を語る上で外せない、一編のストーリー
SDGsの企画を立ち上げるにあたり、こちらの〈九州教具〉を取り上げるのが、結果的に一番相応しかったのではないかと感じる。なぜなら、こちらが「社会貢献のため」に設立された企業であり、今なおその根幹が崩すことなく邁進し続けているのだから。
1946年に、元は教育者であった創業者が立ち上げた〈本田文具店〉は、障がい者の教育環境改善のための「愛の鉛筆運動」の発足に追随するように、〈九州教具〉として法人化。この運動で利用される鉛筆の発注や卸売を大きく担ったことからはじまっている。
企業が社会貢献活動・ボランティアとして取り組む「SDGs」では、業績が長く振るわなかった場合、優先的に縮小される可能性も否めない。一方〈九州教具〉のように、事業活動の大きな柱に「SDGs」の要素が組み込まれていれば、活動自体が停滞・後退することは簡単には考えられない。
まさに、事業そのものが「持続可能性」を強く感じさせるものなのだ。長崎のSDGsのお手本となるに相応しい存在だといえる。
地方に焦点を当てた永続性のある取り組み
〈九州教具〉の近年の活動として目覚ましいものといえば、波佐見町のホテル「ブリスヴィラ波佐見」。
10年前にホテル建設の誘致を受けた頃は、現在の波佐見のように再ブランディングされ全国的に注目される前のこと。農業と観光、そして陶芸が融合するまちづくりの一環として町に請われた。
大切にしたのは「利益だけではなく、永続性を持たせる」ための追求。あえて客室数を44室に抑え、高速WiーFi、茶室でのもてなしなど、ワーケーションユーザーも満足させる付加価値で楽しませてくれる。
「どこにでもないホテル、ここでしか味わえない体験を提供したい、その想いを体現した場所です」と、船橋社長。波佐見のまちづくりに深く関わっていくことを決意し、ホテル建設に踏み切ったのだとか。「波佐見でやることは、だいたい首を突っ込んでます」と、自治体や地元の人たちとはもちろん、大学の教授や学生たちとも膝を突き合せ、官民学一体で取り組む姿もまた、SDGsの教科書のようだ。
経済活動から社会活動へ問われる「ものさし」とは?
「これからの時代は、経済活動から社会活動へと根底が変わり、これまでの固定観念を崩すことが必要となってくると思います」と話す船橋社長。「経済活動を主軸に動いてきた私たちの世代からは、なかなか斬新なアイデアや考え方を出すことが難しいんです。むしろ、そのしがらみにとらわれず育ってきた若い人たちが、これまで以上に鍵となってくると思います」。
現在、イノシシなどによる「獣害問題」に直面している波佐見町。〈ブリスヴィラ波佐見〉では、駆除したイノシシの肉を使ったジビエ料理の提供をはじめている。これもまた広い目で見れば、地域や長崎、日本の利益につながる一手であることを〈九州教具〉では確信してるようだ。
「言語や文化がそれぞれ異なる世界で、『SDGs』とは数少ない共通の価値観なんです。もしかしたら、人類がはじめて持った共通の『ものさし』かもしれないですね」と船橋社長。そして、長崎で一番、その「ものさし」の重要性を理解しているのも、船橋社長と〈九州教具〉なのかもしれない。
〈九州教具グループ〉では、そのほかの分野でも「SDGs」課題に取り組んでいる。教育DXの導入促進や食品ロス軽減、ダイバーシティの推進など、「愛の鉛筆運動」から始まった社会貢献活動は多岐にわたって広がっている
名称 | 九州教具株式会社 「誠実にして 正確を旨とし 社会に貢献すべし」という理念のもと、70年以上の歴史を持つ大村の企業グループ。オフィスソリューション事業・ホテル事業・ウエルネス事業の3つの柱を軸に、オフィスのインフラ構築やホテル運営などを手がけている。 |
---|---|
お問い 合わせ | TEL:0957-53-1069 |
備考 | |
場所 | 長崎県大村市桜馬場1-214-2 |
コメントを投稿するにはログインしてください。