長崎ヤクルト株式会社

人々に健康とふれあいを届け女性の社会進出に貢献

　〈ヤクルト〉の創始者・代田稔博士は、代田イズムと呼ばれる「予防医学」、「健腸長寿」、「誰もが手に入れられる価格で」という考えのもと、ヤクルトの販売を開始した。そして代田イズムを基盤に、長崎の人々にヤクルトを届ける〈長崎ヤクルト〉。同社の強みは、ヤクルトという商品自体の魅力に加え、商品を届けるヤクルトレディが働く環境をしっかりと整備していることだ。

　「レディさんはパートナーです」と話す山下取締役。ヤクルトレディは雇われるのではなく、委託販売を請け負う存在。彼女たちは、ヤクルトを顧客の家や職場へ届けることで、人々の腸の健康を支える。また販売を通し、ふれあいという社会貢献を行っている。同社は現在、長崎市のほか島原半島、県央、川棚まで、約三〇〇名のヤクルトレディに業務を委託している。ヤクルトレディの主となるのは主婦。女性は結婚後、専業主婦になることが主流だった一九八七年から事業所に託児所を設け、女性の社会進出に貢献してきた。現在では17の事業所のうち８ヵ所に託児所を併設。設置していない事業所を拠点にするヤクルトレディは、近い事業所の託児所を利用できる。また、収入体系を扶養外と扶養内の２種設けており、ライフスタイルに合わせ選択可能だ。「主婦にとっては、とても良い環境だと思います。時間も午前９時から午後３時までなので、小学生のお子様を家で出迎えることもできます」。

　もちろん、働く上での研修制度も充実している。乳酸菌や商品について学んだり、マネージャーと共にエリアを回る研修、そして毎朝の朝礼でもしっかりと知識を得ることができる。また「研修も大切ですが、お客様と接することで人として成長していく、やりがいのある仕事です」と話してくれた。

助け合える仲間と笑いの絶えない職場

　「明るい方、人と接することが好きな方に合う仕事です」と話す山下取締役。事業所には、お届け業務を終えたヤクルトレディたちが楽しそうに会話しながら作業する姿があった。ヤクルトレディの山下さんに、その仲の良さについて伺ったところ「働き始めた頃に、みんなが声をかけてくれたので、すぐになじむことができました。今も新しい人が入ってきたら、こちらから声をかけるようにしています」と、コミュニケーションを大切にしていることを話してくれた。

　「みんな主婦で、小さい子どもがいる人から、ある程度大きくなった子どもがいる人までいます。みんな、小さな子どもを持った経験があるから、子どもが急に病気になって休むことになったときにも助けてくれます。助けてくれるから、小さい子どもがいる人も、極力休まなくていいようにがんばってくれます」と、助け合おうと思える関係が築かれていることが感じられた。

　なぜヤクルトレディになったのかを尋ねたところ「先にヤクルトレディとして働いていた姉から、託児所があるよと勧められたので」と答えてくれたのは板垣さん。また、そのお姉さんは現在出産のため休業中だが、５月に復帰予定とのことだった。もし次のお子さんを授かって出産した場合、その後仕事復帰したいかを尋ねると「復帰したいです」と板垣さんも笑顔で答えてくれた。

　働き始めて変わったことについて、山下さんは「幅広い年齢の人と関わるようになりました」と言う。「以前は同年代の人とばかり関わっていましたが、高齢のお客様や娘くらいの年齢のヤクルトレディと関わり話を聞くことで、自分の視野も広がりました」と、自らの成長についても実感できる環境のようだ。

ヤクルトレディと共に長崎の健康を支える

　山下取締役は「長崎の健康づくりのパートナーになりたいと思っています。ヤクルトで腸を整え、ふれあいで心も豊かになってもらいたいです。」と語る。実際、ヤクルトレディの山下さんは「お客様のところへ、少し遅れて到着したときに、とても心配してくださっていたことが嬉しかった」と話す。また板垣さんも「あなたに会うと元気になるわ」と言われたときに喜びを感じるのだそう。既に長崎の人の生活の一部となっていることが垣間見えるエピソードだ。

　ヤクルトレディの年齢層の広さから、女性が長く活躍する現場としても整備されていることもわかる。長崎の人々の腸と心の健康、そして女性の元気に貢献する企業だ。